400年の歴史を誇る、
神に捧げる花の芸術

花絵-HANAE-は、市民が教会までの道のりを花や種子等で宗教画を描くイタリア発祥のフラワーフェスティバルを日本で紹介し、発信していくために2001年から全国各地で開催してきた市民アートイベントです。イタリア語で『花をまく』という意味の「インフィオラータ」や花の絨毯を意味する「フラワーカーペット」「アルフォンブラ」などと呼ばれ、現在ではイタリアやスペインを中心に世界各国で盛大に行われています。

起源は13世紀、「キリストの聖体(コルプス・ドミニ)」を祝う祝日に、通りを行く司教達を迎えるため、市民が教会までの道に花をまいて祝ったのが始まりと言われています。当初は地面に花を蒔くだけでしたが、約400年前にサンピエトロ寺院でモザイク風の花のデコレーションが始まり、花絵へと進化。さらに世界中の花絵師達が腕を競い合う芸術へと昇華しました。2006年にはインフィオラータの国際連盟が設立され、2年に1度世界大会が開催されるなど、宗教行事としてだけでなく、アートとしての側面も注目されています。花の短い命の中で成り立つアートは「エフェメラル・アート=儚い命のアート」とも呼ばれ、その瞬間の美しさを求めて多くの来場者が訪れます。

花絵-HANAE-の最大の特徴は、アーティスト1人ではなく、市民が協力をして作品を作り上げるその過程にあります。大きな花絵は1人の力では完成しません。チームで創る楽しさ、作品を創り上げる達成感、そして花絵の美しさに、完成後は創る人も、観る人も、誰の顔にも笑顔が溢れます。

花絵-HANAE-は地域の文化や伝統を祝い、コミュニティーを結ぶことを目的とした、国も時も超えて伝承されていく、進化し続けるグローバルアートです。

①下絵
原寸大に引き延ばした線画を、道路上に貼り付けます。

②ぺタリング
バラやカーネーションなど、色とりどりの花を花びら状にし、色ごとに仕分けます。

③花絵制作
下絵の上に花やカラーサンドを置き、原画のデザインに合わせて色をつけます。

④完成
最後に水をかけ、花を定着させたら花絵の完成です!